
止まりませんね、楽天証券の改悪。
楽天経済圏の改悪が続く中、2021年の年末までは、楽天証券や楽天銀行といった金融サービスはさすがに手を付けないだろうと想像していました。
しかし、今では次にどんな改悪が待ち受けているんだろうと考えるようになりました。
投資信託残高へのポイント進呈条件変更だけでは終わらないんですね。
2022年2月1日に発表されたサービス改定は2本。
- SPUに米国株式が仲間入り(4月購入分から)!あわせて投資信託のSPU条件を変更します
- 投信積立での「楽天キャッシュ決済」の開始および楽天カードクレジット決済のポイント還元率の一部変更について
見出しからは新サービスリリースで良いことのように見えますが、読み進めてみると、新サービスと同時に適用される既存サービスの改定で、おそらく多くの人にとっては現在に比べると「改悪」となってしまいそうな内容です。
「これまでのように達成難度の低い条件で多くのポイントを獲得できていたのに比べると、条件が複雑になって獲得しにくくなる」と理解すると良いでしょうか。
こちらのブログ記事では、
- 2022年2月1日に発表された楽天証券のサービス改定内容のおさらい
- シラタキ家の判断と対応
という流れで書き進めたいと思います。
公式のリリース文をなぞっただけの情報はもう良いから、一歩を踏み出すヒントが欲しい!という楽天証券既存ユーザー、これから楽天経済圏に移行しようとしている方々へ新しい気付きを与えられたら嬉しいです。
SPUに米国株式を追加&投資信託のSPUルールを変更

2022年4月から「米国株式」が新たなSPU対象として追加されます。
同時に既存のSPU「投資信託」のルールが変更になります。
- 楽天ポイントコースの設定
- 1回500円分以上のポイント投資(投資信託)
でポイント+1倍
- 楽天ポイントコースの設定【同じ】
- マネーブリッジの設定【条件追加】
- 当月合計30,000円以上のポイント投資(投資信託)でポイント+0.5倍【改悪】
- 当月合計30,000円以上のポイント投資(米国株式※の円貨決済)でポイント+0.5倍
※米株積立および買付手数料無料海外ETF(下記9銘柄)を除く
- バンガード(R)・トータル・ワールド・ストックETF
- バンガード・S&P 500 ETF
- バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
- SPDR S&P 500 ETF
- SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF
- SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
- グローバルX AIビッグデータ ETF
- グローバルX フィンテックETF
- グローバルX ゲノム&バイオテクノロジーETF
ポイント投資の内訳はこれまで通り「全額ポイント(30,000ポイント)」の他、「ポイント+現金(例:1ポイント+29,999円)」でもOK。
加えて、同月内であれば複数回のポイント投資が合算してカウントされることになります。

投資信託のポイント投資「500円」分で済んでいたものが「30,000円」分となり、ポイント倍率が「+1倍」から「+0.5倍」になってしまう、、かなり大きな条件変更です。
つみたてNISA満額の「33,333円」や「33,000円」を積み立てていた人にとっては、条件達成自体には問題なさそうですね。
想像するに、ここまでなら結構クリアできる人が多そうです。

合わせて、日頃から米国株式を積立ではなくスポットで月30,000円以上購入していた人にとっては、投資法をこれまでと何ら変えることなくポイント倍率「+1倍」を維持できます。
投資信託とポイント分を合わせて月「60,000円」分の入金力。
うーん、、さすがにここまで来るとクリアできる人は限られそうです。
今回の改悪で投資信託分の「+1倍」⇒「+0.5倍」を甘んじて受け入れる人が多くなるのではないでしょうか。
楽天市場で月10万円のお買い物をする場合は、ポイント還元が1,000ポイントから500ポイントに減額される計算です。

条件追加となった「マネーブリッジの設定」は、楽天銀行の口座が必要です。
楽天証券単体のサービス利用では達成不可になったということですね。
まぁ、利便性を考えると、楽天証券と楽天銀行の口座開設はセットかなぁと思います。
多くの人が両金融機関に口座を持っているんじゃないかと。
楽天銀行の口座を持っていなくても、開設も無料、維持も無料ですからね。
こちらの条件追加は問題無いのではないでしょうか。
以上、まずは1つ目の改悪「SPUに米国株式を追加&投資信託のSPUルールを変更」を振り返りました。
この改悪を受けてのシラタキ家の判断と対応は後述するとして、2つ目の改悪のおさらいに進みます。
投信積立で「楽天キャッシュ決済」を開始/「楽天カードクレジット決済」のポイント還元率を変更


2022年8月から、投資信託積立の決済方法に「楽天キャッシュ決済」が追加されます。
翌月2022年9月から、既存の投資信託積立の決済方法「楽天カードクレジット決済」のポイント還元率が変更になります。
楽天キャッシュ決済で(銘柄に関係なく)ポイント還元率0.5%※毎月5万円まで
楽天カードクレジット決済で(銘柄に関係なく)ポイント還元率1%
楽天カードクレジット決済で
- 信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%以上の銘柄はポイント還元率1%【同じ】
- 信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%未満の銘柄はポイント還元率0.2%【改悪】
まずは、新たに始まる楽天キャッシュ決済から。
投資信託積立に新たな決済手段が加わることは良いことだと思います。
それだけ選択肢が広がるということですから。

しかも、投資信託積立時にポイント還元されるとのことで、楽天カードクレジット決済分と合わせて合計月10万円の投資信託積立分までポイント還元の恩恵に与れるというのは喜ばしいことです。

しかし、気になった一文がこちら。
「楽天キャッシュ決済では、最大1%ポイント還元を行うキャンペーンも実施いたします。」
キャンペーン!
まぁ、SPUも条件が立て続けに変更されて期間限定のキャンペーンと言えばキャンペーンですが、、今回の楽天キャッシュ決済によるポイント還元は、最初からキャンペーンと言い切っています。

楽天証券のサービス案内をよくよく見ると、、楽天キャッシュ決済の投資信託積立におけるポイント還元「0.5%」部分は、2022年8月〜12月買付分の5ヶ月分に限られるようです。
つまり、2023年からは楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ時に付与されるポイント還元「0.5%」のみとなります。

とは言え、ここまではプラスの側面しかないお話。
ここで終わっていれば良かったんですが、「楽天キャッシュ決済」を開始と合わせて発表されたのが、「楽天カードクレジット決済」のポイント還元率の変更。

想像するに、投資信託を楽天カードで積み立てている人のうち、こちらの改悪の影響を受ける人が大多数のような気がします。
銘柄選定のひとつの軸として「信託報酬手数料の低さ」は重視されているはずです。
信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%未満の銘柄を選定されているのではないでしょうか。
ちなみに、つみたてNISAの対象商品でもあり、人気の低コストファンドの下記は、いずれも年率0.4%未満の銘柄に該当します。
- eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本)
- eMAXIS Slim 先進国株式 インデックス
- eMAXIS Slim バランス (8資産均等型)
- 楽天・バンガード・ファンド (全米株式)
- 楽天・バンガード・ファンド (全世界株式)

ポイント還元率「1%」から、半分の0.5%をすっ飛ばして、5分の1の「0.2%」。
一気に削った印象です。
楽天カードクレジット決済の枠、月5万円分を積み立てていた場合、毎月500ポイントから毎月100ポイントへ還元が減額(マイナス400ポイント)。
つみたてNISAの非課税枠、月33,333円分を積み立てていた場合、毎月333ポイントから毎月66ポイントへ還元が減額になります(マイナス267ポイント)。
楽天証券で投資信託を積み立てているだけで「ポイントでコツコツ節約できる」から「ポイントはオマケ程度」へポイ活の位置付けが変わりそうなインパクト。
ポイント還元の効率を考慮すると、まずは楽天キャッシュ決済の「0.5%」還元の5万円枠を使い切り、次に楽天カードクレジット決済の「0.2%」還元の5万円枠を使っていくのが良さそうです。
シラタキ家の判断と対応
今回の追い打ち改悪と、2021年末に発表された改悪「投資信託残高へのポイント進呈条件変更」を受けて、楽天証券で投資信託の積立投資をしている我が家、シラタキ家の判断は。。
- 楽天経済圏のサービスを多用しSPU8倍
- 楽天市場での買い物は3ヶ月1回の楽天スーパーセールのみ(10店舗買い回り合計7万円程)
- 楽天ふるさと納税を利用中
- 投資目的は15年~20年後に使う子供の大学進学費用と老後資金の準備
- 投資戦略は長期積立で国際分散投資
- 楽天証券に一般NISA口座を開設
- 楽天証券とSBI証券で投資信託を積立中
- 積立には楽天カードクレジット決済と証券口座引落を併用中
結論、すべての改悪を受け入れて楽天証券をメインに利用し続ける方針です。
楽天証券の一連の改悪は、倹約観点で残念過ぎる内容でしたが、投資目的の達成には何ら支障が無いと考えたためです。
また、楽天証券で一般NISA口座を開設した以上、新NISAやその後の非課税枠へロールオーバーする年には、楽天証券にNISA口座を持っていないといけないため、安易にSBI証券へ金融機関変更という選択が取れません(手間に見合うメリットが無いと思いました)
加えて、食品や日用品のまとめ買いやふるさと納税の寄付を、SPU+買い回りで実質約20%オフでできる節約メリットはまだまだ大きいです。
PayPay(ヤフー)経済圏、au経済圏等、他経済圏の動向を見つつ楽天経済圏に居続けようと考えています。
改悪後の楽天証券に加えて、SBI証券、そしてクレカ積立が新たに始まるマネックス証券を含めた、毎月の積立投資の全体像は、下記の通りです。
月10万円
┗楽天カード:月5万円
┗楽天キャッシュ:月5万円
一般NISA(将来的には新NISA)口座で株式ファンドを積立
月5万円
┗マネックスカード:月5万円
特定口座で積立リバランス
月5万円〜
┗三井住友ゴールドカードNL:月5万円
┗証券口座引落:残り
特定口座で主に債券ファンド・リートを積立

結果的に、クレジットカード決済枠を超える分は、楽天証券ではなくSBI証券で積み立てるということ以外、一連の楽天証券改悪の前後で予定変更はありませんでした。
続いて、それぞれの各改悪への対応です。
SPU
投資信託のポイント投資分が「+1倍」から「+0.5倍」になることを受け入れます。

これまでも毎月3万円以上のポイント投資(1ポイント+残りは現金)で投資信託を積み立てていて、かろうじて投資信託分の「+0.5倍」は継続達成できそうです。
一方、新たに米国株をスポット購入することはありません。
前記通り、投資戦略は国際分散投資です。
米国一国のみの株式をポートフォリオに組み込むのはリスクが大きいと判断しました。
また、スポット購入の手間、アクティブ運用に割く思考も、SPU1倍を維持するのに見合わないと考えました。
家族や友人と過ごす時間や、読書や資格の勉強、ブログ執筆等、「稼ぐ力」を鍛える時間に充てたいです。
3ヶ月に1度の楽天スーパーセールでまとめ買い:約7万円⇒SPU+1倍=700ポイント
3ヶ月に1度の楽天スーパーセールでまとめ買い:約7万円⇒SPU+0.5倍=350ポイント

これまでと同じ楽天経済圏の利用法であれば、年間で350ポイント×4回分=1,400ポイント、お得さが減少するという試算です。
楽天キャッシュ決済と楽天カードクレジット決済
これまで通り楽天カードクレジット決済を利用しつつ、新たに始まる楽天キャッシュ決済も利用予定です。
楽天カードクレジット決済分のポイント還元率「1%」から「0.2%」への改悪も受け入れます。

ポイント還元率を守るために積み立てる銘柄を変更するつもりはありません。
これまで通り、代行手数料を含めた信託報酬手数料が安いインデックスファンドを積み立てます。

これまでは、楽天カードクレジット決済5万円枠から超えた積立分を口座引落で支払っていました。その口座引落分を楽天キャッシュ決済で支払うことでポイント還元の恩恵を享受したいと考えています。
楽天カードクレジット決済:月5万円⇒ポイント還元率1%=月500ポイント
- 楽天カードクレジット決済:月5万円⇒ポイント還元率1%=月500ポイント
- 楽天キャッシュ決済:月5万円⇒ポイント還元率0.5%=月250ポイント
合計月750ポイント(楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ分の還元率0.5%を含めると合計月1,000ポイント)
- 楽天カードクレジット決済:月5万円⇒ポイント還元率0.2%=月100ポイント
- 楽天キャッシュ決済:月5万円⇒ポイント還元率0.5%=月250ポイント
合計月350ポイント(楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ分の還元率0.5%を含めると合計月600ポイント)
- 楽天カードクレジット決済:月5万円⇒ポイント還元率0.2%=月100ポイント
- 楽天キャッシュ決済:月5万円⇒ポイント還元なし
合計月100ポイント(楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ分の還元率0.5%を含めると合計月350ポイント)

これまでと同じ楽天証券の積立投資であれば、年間で150ポイント×12ヶ月分=1,800ポイント、お得さが減少するという試算です。
SPUと合わせると年間3,200ポイントほど。ランチ3回分ですね。
投資信託残高へのポイント付与
改悪の一報を受けて、1月初旬にSBI証券への移管を楽天証券へ申し込みました。
楽天証券の特定口座内にまとまった金額の投資信託を保有しているためです。
一度の手間で済むため、費用対効果に合いそうと考え、勉強がてら移管をやってみました。
楽天証券側に移管申し込みは受理されたようですが、移管手数料(今回は約2万円)を証券口座内に残しておかなかったので移管保留のステータスです。
手数料分を証券口座へ入金済みで、自動スイープの設定を変更し楽天銀行に自動出金されないようにしたため、いずれ移管されることになるんじゃないかと思います。
無事に移管できたら、あらためてブログで体験談を紹介しようと考えています。
つみたてNISAの非課税枠内の積立なら
仮に私が、一般NISA口座+特定口座での積立ではなく、つみたてNISAを利用して年間40万円を積み立てるとしたらと仮定して、対応法を考えました。
まずは、楽天市場での買い回りや楽天ふるさと納税等、ネット通販で楽天市場を多用している場合。
加えて、これから楽天経済圏に利用サービスを集約して倹約しようとしている場合は、楽天証券を利用し続けると思います。
SBI証券やマネックス証券に投資信託を移管したり、つみたてNISA口座の金融機関変更をすることなく楽天証券一本です。
月33,333円
┗楽天キャッシュ:月33,333円
- SPU+0.5%を達成
楽天市場の年4回の楽天スーパーセールで7万円分まとめ買いすることを想定した場合
購入月350ポイント/年間4回1,400ポイント - 楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ分0.5%還元
毎月166ポイント/年間1,992ポイント
合計3,392ポイント獲得。
SPU+1倍&楽天カードクレジット決済1%還元の改悪前に比べると、半分の年間3,392ポイントが減る計算です。
一方、ネット通販は楽天市場ではなく、Amazon等の他ECサイトをメイン利用している、または今回の改悪を契機に楽天経済圏から離れる場合。
SBI証券へつみたてNISAを金融機関変更 します。月33,333円
┗三井住友ゴールドカードNL:月33,333円
1%還元(通常カードの場合は0.5%還元)
毎月333ポイント/年間3,996ポイント
(通常カードの場合は毎月166ポイント/年間1,992ポイント)
楽天カードのクレジット決済枠内の積立なら
つみたてNISAの非課税33,333円+特定口座で16,667円の合計5万円を積み立てると仮定した場合です。
つみたてNISA枠内での積立時と同様に、楽天経済圏に残るなら楽天証券一本です。
楽天カード→楽天キャッシュ:5万円
┗つみたてNISA:月33,333円
┗特定口座:月16,667円
- SPU+0.5%を達成
楽天市場の年4回の楽天スーパーセールで7万円分まとめ買いすることを想定した場合
購入月350ポイント/年間4回1,400ポイント - 楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ分0.5%還元
毎月250ポイント/年間3,000ポイント
合計4,400ポイント獲得。
SPU+1倍&楽天カードクレジット決済1%還元の改悪前に比べると、半分の年間4,400ポイントが減る計算です。
一方、楽天経済圏にこだわらないならSBI証券へ乗り換えます。
三井住友カードゴールドNL(または三井住友カードNL):月5万円
┗つみたてNISA:月33,333円
┗特定口座:月16,667円
1%還元(通常カードの場合は0.5%還元)
毎月500ポイント/年間6,000ポイント
(毎月250ポイント/年間3,000ポイント)
つみたてNISAにはロールオーバーがありませんからね。
心置きなく乗り換えることができます。
尚、SBI証券に乗り換えるのは、新規積立分です。
これまで楽天証券で積み立てたつみたてNISA枠内の投資信託は、引き続き、楽天証券内で運用することになります。
非課税のままSBI証券へ移管することはできず、資金移動する場合は、積み立てた投資信託を一度売却する必要があります。
売却した分の非課税枠を失ってしまうことになるため、積み立てた資産を使う時が来る前に売却することは得策ではないと考えます。
他方、マネックス証券への乗り換えもアリな選択肢かもしれません。
現時点においては、業界1位を走り続けるSBI証券の方が安心して積立継続できるかなぁと思いますが、マネックスカード投信積立の1.1%ポイント還元は魅力的です。
楽天証券からSBI証券へ投資信託を移管するには手数料が発生しますが(キャンペーンでキャッシュバックされます)、つみたてNISA口座の新規積立の金融機関変更は無料でできます。
SBI証券 は、- 楽天証券並みに投資商品ラインナップが豊富
- 三井住友カードで投資信託を積立できる(つみたてNISAにも対応)
- 投信マイレージで投資信託を保有しているだけでポイントがもらえる(つみたてNISAにも対応)
- 他社の特定口座に保有している投資信託を移管する場合、他社へ支払う手数料が全額キャッシュバックされる

私は楽天証券とSBI証券を併用しています。
ぶっちゃけ管理画面の操作性は楽天証券が秀でていると思いますが、SBI証券も積立投資する分においては何ら問題ありません。
引き続きSBI証券で積立投資を継続予定です。
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